【個別解説】第5回製剤技師認定試験_第1問

第5回製剤技師認定試験(第1問)を解くために必要な情報をまとめてみました。

第 1問 熱力学に関する次の記述の正誤について,正しい組合せはどれか.


a 熱力学は,系と外界とのエネルギーや物質のやり取りの条件によって,孤立系,閉鎖系,開放系に分類される.
b 孤立系では,等温でエントロピーが増大すれば自発的な変化が起こる.
c 熱平衡に達した後も,宇宙(孤立系)のエントロピーは増大する.
d ギブズの自由エネルギーは,閉鎖系の等温定容過程での自発的な変化を判断するのに役立つ.

それぞれ解説していきます。

注)細かな事までは解説していません。間違っている個所もあるかとは思いますが、勉強や興味への取っ掛かりとして、ゆる~く読んで頂けたら嬉しいです。

a 熱力学は,系と外界とのエネルギーや物質のやり取りの条件によって,孤立系,閉鎖系,開放系に分類される.

孤立系、閉鎖系、開放系ってなに?

このような系を分けるポイントは、問題文にもあるように以下です。

・物質の出入り(移動)

・エネルギー(熱エネルギー、仕事エネルギー)の出入り(移動)

断熱系って書いてないから、この問題は【誤】ってこと?

 私も一瞬?少し?そのように思いましたが、前提が「熱力学は、」です。そのため「仕事の出入り」のみが関係する断熱系がなくても【正】となります。

 もし、「エネルギーの代表的な系」となると、上記4つの系を指すと思います。。。

b 孤立系では,等温でエントロピーが増大すれば自発的な変化が起こる.

エントロピーってなに?

よくわかんないですよね。未だにまぢでよくわかりません。以下セットでまずなんとなく覚えましょう。似てるのでセットで覚えますが、別物と覚えます。詳しく知りたい方は、他のサイトを覗いてみてください。

・エンタルピー(H):ある物質が持っているエネルギー。

・エントロピー(S):不可逆性の度合い。乱雑さの指標。

孤立系では、物質も熱も出入り(移動)しないため、エントロピー(不可逆性、乱雑さ)が増大したら、「変化しそう」、「だって不可逆だもんね」ぐらいで一旦スルーします。

c 熱平衡に達した後も,宇宙(孤立系)のエントロピーは増大する.

エントロピーが大きくなると、エネルギーが低くなる≒安定するそうです。「宇宙はどんどん広がっている」と聞いたことはありませんか?そんな感じか…ぐらいで、問題を解く量を増やすことに注力しましょ(もちろん最終的には関数も頭に入れたほうが良いです)。余談ですが、大学1年生の物理化学のテストの前日、友達同士で勉強会を開いていたのですが、

<span class="bold-red"><span class="bold-blue">私</span></span>

エントロピーって何か理解した?

<span class="bold-green">友人H</span>
友人H

エントロピーは無限大に増大する

<span class="bold-blue">私</span>

だからどういう意味?

<span class="bold-green">友人H</span>
友人H

宇宙のエントロピーは無限大に増大する

と連呼して、エントロピーに関してはそれのみの情報で受験してました。保留になってたっけな??

d ギブズの自由エネルギーは,閉鎖系の等温定容過程での自発的な変化を判断するのに役立つ.

ギブス(Gibbs)の自由エネルギーの式と条件はしっかり覚える!

ΔG = ΔH - T×ΔS  (頑張れ、阪神タイガース)

【条件】系が定温、定圧条件下(等温定容)

【+α】ΔG<0(Gibbsエネルギー減少)は自発的変化

G:Gibbsエネルギー(自発的な変化がどの方向に進行するかを示す状態量、温度Tにおける仕事に使えるエネルギー)

H:エンタルピー(ここでは、系全体が持つエネルギー)

T:絶対温度

S:エントロピー

T×S:束縛エネルギー(?…なるもの)

コメント

タイトルとURLをコピーしました